『毎日が小さな修行』は、1300年に2人目の
大峯千日回峰行を満行した大阿闍梨、
塩沼亮潤氏の著書です。 千日回峰行とは、1000年以上も前から
行じられた歴史と伝統のある修行です。 塩沼氏は、奈良県吉野の大峯山で、
1999年に千日回峰行を9年がかり
年間4か月を行の期間と定めて、
1日48キロの険しい道を
9年の歳月をかけて歩き通す修行です。
終えた翌年、9日間、四無行
(食べない、飲まない、眠らない、横にならない)も満行し、
大阿闍梨の号を得て、現在は故郷仙台に開山した
慈眼寺の住職を務めています。 厳しい修行を経て、自己と深く向き合う中で掴んだ、
人生の花を咲かせるためのヒントをご紹介します!
■□■ 『毎日が小さな修行』■□■
~人生の花を咲かせる12の基本~
塩沼亮潤(著) ・生きるコツ ・縁を生かす ・心を運ぶ ・命を輝かす ---------------------------------------------------------------- 人間関係は一つの行と考えていいでしょう。
人間関係の苦しみの真っ最中には大きな苦痛を伴いますが、
心のすれ違いがなくなって、お互いがわかり合えると、
嵐が過ぎ去った後のように心が穏やかになります。
そんな体験を、私もさせていただきました。 いくら山で修行をして歩き回っても、
山の中に答えが落ちているわけではありません。
また、こういう修行は誰もができるわけではありません。 ですから私は、皆さんの代表選手として、
人と人との心がすれ違うのはどうしてなのかと考えるために、
山に入ったように思います。
そういう役目が与えられたように思っています。 山の中に入れば、お天道様がさんさんと輝いていて、
虫たち、鳥たち、きれいな草花、
木といったものが渾然一体となって生きています。
そうした大自然の中から自分自身を省みて、
感謝しながら、少しずつこの世の真理をうなずきとっていく。
それが私に与えられた役目です。 人間には四種類の生き方しかないということを、
お釈迦様が説いています。 一つ目は光から光の世界で生きていく人間、
二つ目は光から闇の世界へ生きていく人間、
三つ目は闇から闇の世界へ生きていく人間、
そして四つ目は闇を転じて光のある世界へ生きていく人間です。 闇というのは、私たち人間の心のあらゆるとらわれを
指すわけですが、これには際限がありません。
この闇の部分に気づかないまま、
他人に対して「なぜ、どうして」とばかりとらわれていると、
自分もいつか闇の世界に落ちてしまいます。
明るく穏やかな光ある世界へと導かれるためには、
人のマイナス的なところにとらわれず、
割り切って、忘れて、捨てて、許すことが大切です。 2500年も前にお釈迦様が説かれた教えは、
今の私たちにも共通します。ということは、
人間がこの星に誕生してからずっと、
心穏やかに生きていくためにはそれしか方法が
ないということなのでしょう。… (本文より)