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私は、一度だけ殺意を持ったことがあります。
それは、父に対してです。
神社のお祭りで母がひよこを10数羽もらってきてくれました。
寒い冬の時期だったので、段ボールに電氣あんかを入れて飼っていました。
ある時、夫婦喧嘩が勃発しました。
父は口数が少なく、日ごろはおとなしいのですが、怒ると手がつけられなくなります。
この時も、母を蹴ったり、踏んだりして、挙句の果てはひよこの段ボールを
庭に叩きつけたのです。
かわいそうに助かったのは、一匹だけでした。
私は、チロという名前をつけて大切に育てました。
私は一人っ子だったので、弟が出来たような感覚でした。
毎月の少ないお小遣いの中から餌を買ってきて与え、
やがてりっぱな若鳥に成長しました。
私が学校から帰ると、脱兎のごとく駆け寄り、肩や頭に止まり、
数メートル離れた庭の周りの赤いレンガ塀まで飛んでいました。
私が庭に出るといつも金魚の糞のようについて回りました。
ところが、中一の時、花火大会から戻ったらチロのお迎えが
ありません。
どこを探しても見つかりません。
母に聞いたところ、裏の畑に行ってみたらと言いました。
すぐに裏の畑に行ってみました。
すると、無残にもごみ焼き場ににわとりの羽毛がたくさん散らばって
いるではありませんか。
嫌な予感がして、母を問いただすと、父が食べたというではありませんか。
怒髪、天を衝くとは、この時のことをいうのではないでしょうか。
私は、生まれて初めて父に対する殺意を持ったのでした。
このブログを書きながらも常に頭の中は福岡講演会のことで頭はパンパン。
昨日の法事の準備も後手に回り、妻からはあんたの父親のことでしょうと
叱責を浴び、がっくり。
でも、気を取り直して、ご先祖様のお力もお借りして、身近な人たちへの
声掛けを続けます。